今回は、兵庫県豊岡市に本社を構えて新築を年間40棟建築している株式会社ウッドプラン 代表の嶋田様へインタビューをさせていただきました。
現場監督の課題
現場監督任せで現場管理におけるエビデンス(証拠や記録)がなかった
現場美化に対して色々打ち手を実行したが、なかなかうまくいかなかった
若い世代の現場監督が職人対して「わかりました」としか言えない状態だった
現状と効果
全棟360VR空間でデータ化し、しっかりデータに基づいた管理を実行。360度の現場空間を見ながら品質管理会議を行い、組織管理体制へ
大工さんや協力業者さんも、現場の美化状況も記録されるという緊張感と、施主さんから喜ばれるやりがいで、非常に良い空気感の現場に
売手よし、買手よし、業者よし、世間よしと「四方よし」の体制へ
ー 本日はありがとうございます! 早速ですが、嶋田社長はどういったご経歴になるのでしょうか?
2012年までは現場で大工をやってました。2013年1月に株式会社ウッドプラン設立して設計とかオーダー家具の製造をはじめて下請業から元請業に転換しました。
ー新築事業はどのような成長を描いたのでしょうか?
1期目:3棟
2期目:8棟
3期目:12棟
4期目:20棟
という成長曲線を歩んできました。
5期目で27棟(売上5億円)を超えてから、それ以降の6?9期目は大体売上7?9億円を推移。
前々期(2021)は9億円、前期は23年7月決算で8億5千万円くらいです。
ー新築事業は何棟規模になりますか?
年間30から40棟です。
売価を上げたので1棟当たりの単価が上がってます。
8期目では47棟の実績もあります。
ー新築のラインナップを教えてください
注文は、パッシブハウス仕様の「ひかりの家」「Premium(プレミアム)」。
自社で考えた規格として「Styleシリーズ」「Lieto(リエット)」があり、それ以外にも商品があります。
パッシブハウス仕様の「ひかりの家」は僕たちが仲良くしていてLog Systemのユーザーでもある大阪府のひかり工務店社に設計を依頼するもの。そういえばLog Walkを紹介してもらったのもひかり工務店社でしたね(笑)累計で350棟ほど建ててます。
ー新築事業の組織形態を教えてください
現場管理が今は3名で来期の2023年8月からは2名になる。営業という部署を無くしていて、設計・営業としていて設計営業が総勢9名となります。
ーLog Systemを採用された背景や理由を教えてください
一番の決め手は現場の中が常に現場監督任せでエビデンス(証拠や記録)がなかなか無かった。
それと現場監督という職業が他社の経営者に聞いても、自社もそうなんですけどとにかく意味もなく現場へ行くことが多かった。
自分たちが良いと思って現場移動していて現場監督の判断で会社の経費と時間を垂れ流していた。
経営者として、現場を遠隔で管理できることでエビデンスを確立させて会社の経費と社員の余計な時間を削減できるように繋げたかった。
ーLog System導入前後で何が変わりましたか?
最も変わったのが「現場美化」です。
今までは業者会の時や現場監督がお願いする形で、業者会を開催して良い事例写真を共有したり、現場の話を多々してきたり、工務店に見学に行ったりもしたけどなかなか改善されなかった。
現場を360度カメラでVR空間化し、全工事期間を記録。そして、その中から決めたタイミングで施主に360度画像を使用して工事報告する取り組みを開始したところ、現場美化が徹底され、非常に綺麗な現場空間が継続しています。
また、Log Walkの職人による撮影翌日に、設計営業方現場管理の全スタッフが、360度の現場空間を見ながら品質管理会議を行うようしました。
設計をする側も、現場品質や自分達がおこした図面のおさめられ方はリモートで学べるので、急速にスタッフレベルが向上しました。
若いスタッフが、こうした良いシステムを使うことで色々な意味で責任と自覚が生まれてきている。
今まで協力業者とコミュニケーションを取るにも曖昧さに負けたり、上手く伝えられなかった部分が、システムを通じて記録写真を中心として議論することが可能となり、若手世代でも業者さんたちと対等にコミュニケーション取れるようになったことは、会社にとって非常に大きいメリットです。
若手世代が積極的にコミュニケーション取るようになったことで、業者さんの方からも若手のスタッフさんにコミュニケーション取るようになった。距離があったものが距離が近づいた感じがする。
ー教育という観点で品質管理会議以外にどのような取り組みがあるのでしょうか?
今までは外部の講師、社長研修、工程会議、現場会議など、それなりに教育システムはありました。
しかし、現場にいる訳では無いですので、ホワイトボード使ったりして伝えようとしてもどうしても理解が乏しかった。
それがLog Systemならば、現場に行ったかのような体験が出来るので、若手もベテランも認識しやすく、圧倒的な効率化がはかれています。
ー業者さんへの指導について何か取り組みあるのでしょうか?
木工事担当の大工さんへ2ヶ月に1回、社長研修を実施しています。
Log Walkで撮影したVR空間を見ながら、おさめ方とか施工の在り方とか現場美化についてどうかとか、木工事に2か月間携わりますので、その間での品質管理と施工管理について話をしております。
それに、+αとして、標準施工手引書を用意して、Log Systemを使用して品質チェックしています。
もし、施工にムラがあった場合は直ちに指導しているが、それを若手世代の現場監督で行えています。
今までだったら社長自ら伝えないといけなかったのですが、今は360度で現場空間は記録されており、それを元に標準図との違いや図面違いを指摘しているので、業者にとっても納得感がある。また、リモートの良さである、移動レスだからこその、迅速な品質管理が職人とっては嬉しいこと。
そもそも、21歳の若い現場監督が業者とコミュニケーション取ったり、現場のことを社内で話し合う機会がそもそもあまりなかったので、若い世代の人たちは業者さんに言われっぱなしのケースがそもそも日本全国あるあるだと思う。
Log Systemがなかったら若い世代の現場監督は「わかりました」としか言えない状態で、協力業者主体になってしまい、若い世代の現場監督が動いて従わざるを得ない状態になっていたと思います。
ー現場品質の観点でLog Systemがあることで何か大きな変化はありましたか?
隠蔽部まで全て360度写真で記録されており、過去、その施工がどうなっているかというのが一目で分かるようになりました。
施工品質を重要視している中で、最近改善されたこととして、例えば「壁のボード・吹き抜けの施工・階段のまわりの施工」の3つを注視しています。
細部の細かい施工方法を貼り方を徹底的に業者さんに指導している中で、標準図通りの施工方法になっているのかをLog Systemを使用して品質管理会議で見ています。
例えば吹抜について。
お引渡しをしてから2年以内に1Fから2Fにまたがる地回り部分、プラスターボードだと必ずと言っていいほどクラックが入ります。
我々は『梁またぎ』と呼んでいて、梁でジョイントするのではなくて梁を芯振り分けの455で振り分けで貼って、かつ、壁面の後ろには補強材を入れて違った場所でジョイント部分を作る。
プラスターボードではなくてMクロスという商品で必ず囲う施工の仕方を徹底しています。
施工図を作成してそれ通りに施工されているのかをLog Systemで徹底的にチェックしています。
つい先日、建て方があって私たちが取り組んでいるLog Systemについてお施主様にお話しをさせていただいたら強く感心されてました。
「そこまでされている会社が北近畿にあるのかと。」もともと旦那様が住宅に携わっていた方で、遠隔管理システムを活用していきながら設計部も絡めた全社員で管理していることに感銘を受けてましたね。
ー貴社の現場管理の強みについて教えてください
Log Systemを活用しながら赤外線カメラを入れてます。
屋根が完成して断熱材を入れた時点で雨漏り、漏水が無いかどうかを赤外線カメラを使用してエビデンスを取ってます。
漏水が無いと判断した上で、次の施工である大工さんの下地工事や外壁の工事に進めているというセールストークをしてます。
断熱材は高性能グラスウールを使用してます。軒を少なくする建物が多いので、屋根の仕上げ終わった後の妻側は漏水・雨漏りする可能性が高いので、雨が降った後に必ず写真と赤外線カメラで確認してます。
Log Systemを入れたのも上記の取り組みと共通した部分があり、それは建築会社を経営する上で「曖昧さを無くしたい」というもの。
現場あるあるとして曖昧な言葉を使われることがあって「こういう風に施工したと思います」「こういう風に施工しただろう」「このあたりにテープを張ったはずです」というのをすべて無くしたい。
お施主様に「家づくりでどんなことが気になりますか?」というアンケートがあるのですが、資金計画と施工不良に伴う欠陥住宅、アフターメンテナンスがある。そこに強みを見出せばセールストークにもなるし会社の強みになる。
ーLog Systemについてお施主様の反応はいかがですか?
営業時にLog Systemによる管理体制と360度現場空間を使用してお施主様へ工事報告をしている取り組みを話しているのですが、「そこまでやってくれるんですね!」という反応が多く、とても強いセールストークになっています。現場管理を強みにするって、他者ではなかなか出来ないじゃないですか。Log Systemなら、すぐに現場管理が強みになる。
・社長はもちろん、営業・設計・工事事務の全員が皆様の建物を目の行き届くよう管理している
・協力業者も、Log Systemを活用して、現場を常に360度隅々まで確認できるようになっている
・きちんとエビデンスが残る
・引き渡した後も、ずっと記録が保管されるので、安心してアフターを任せてもらえる
「お客様の大事な家を建てさせていただく以上、徹底した管理で、全員で管理をしている」というセールストークにしてます。
ー安全管理観点では、どのような変化がありましたか?
弊社では、もともと大工さんや、業者さんの意識レベルが高いと思っています。
そこにプラスして、Log Systemによる安全管理を導入してから、今まで以上に現場美化が進み、施主からいつも「ウッドプランさんって、本当に現場が綺麗ですね!」と褒められます。
大工さんや協力業者さんも、現場の美化状況も記録されるという緊張感と、施主さんから喜ばれるやりがいで、非常に良い空気感の現場になっています。
ー経営者視点でLog System導入後の成果について教えてください
まず、現場管理の移動を無くしたことにより、時間が有意義に使えるようになったこと。
そして、時が経って隠蔽部となってしまっている気になった箇所の振り返りが、事務所にいながら瞬時にできるようになったことは大きいです。
また、社員、業者の人材教育にも非常に役立っている。
売手よし、買手よし、業者よし、世間よしと私の持論である「四方よし」になっています。
ーLog System導入後のサポートについて教えてください
他社での活用をまとめた活用事例BooKを定期的に送ってもらえることが参考になってます。
業者さんへの共有などにも役立ってます。
ーどのような会社にLog Systemを進めたいと思いますか?
売上5億以上ある地場の工務店さんは全社使われたら良いと思います。
どうしても、1人1億の生産性を求めるとしたら少数精鋭になる。
少数精鋭で生産性を求めるのであれば、Log Systemを活用することでその体制は実現できるはず。
そういった目標を持っていらっしゃる会社はされるべきだと思います。
嶋田社長、津崎様ありがとうございました!!!!
私たちは、これからも、 お客さまの「こんな家に住みたかった」を 叶えられる「お家づくり」を追求してまいります。
パッシブ設計と空間デザインを兼ね備えた住宅。 環境に配慮した住宅・唯一無二のデザイン住宅・高品質のリフォーム・オシャレなお家。