今回は、神奈川県横浜市に本社を構え東証スタンダード市場に上場されている総合建設業を展開する工藤建設株式会社 住宅事業部 伊藤様と金岡様、佐藤様、梅澤様へインタビューをさせていただきました。
現場監督の課題
現場管理の仕組みだけでは、1人あたりの管理棟数の生産性に頭打ちがあった
本当は工程ごとに細かくチェックを実施したいが、「現場に行く」以外の方法が無かった
現場監督の属人的管理体制になってしまっていた
現状と効果
「仕組み×遠隔管理DX」により、生産性を向上
本社の遠隔チェック担当による、全棟同一基準チェックにより、会社としての徹底的なマニュアル化活動が進化
お施主様へのVR現場空間の共有により、CS向上へ。ロイヤルカスタマー戦略が進化
ー普段どのような業務をしておりますか?
○ 梅澤様
延床40坪で平均7,000〜8,000万くらいの物件を年間10棟程度管理を実施し、3年目になりました。
○佐藤様
Log Systemによる本社からの遠隔チェック担当をしていて、基礎完了とサッシの取り付け後、賃貸物件の場合は、断熱チェックを追加で会社ルールのチェックシートとマニュアルでリモートチェックしています。2019年入社で、2023年夏まで営業をしていて、その後、部署異動してきました。6年目になりました。
○ 伊藤様
施工管理のマネージャーをしています。木・金に社内会議があり、メンバーへ司令を与える日として、全体統括として問題把握や再発防止の仕組みづくりを実施。大工の適切なローテーション検討などして、現場の効率化、品質の向上に努めています。
ーLog Systemの導入のきっかけは、どういった事でしょう?
○ 金岡様(営業戦略室)
50期(21年6月まで)のデータで、1現場あたり80回訪問をしている事がデータ化され、2024年の働き方改革、残業規制などへの先手を打った取り組みとして、22年7月に3ヵ年計画を発表しました。どうしても高額物件でこだわりの注文住宅なので、現場訪問が多くなりがちですが、2ヵ年目までに自社努力によって移動時間や残業を減らすことが出来ました。ただ、そこで頭打ちでした。
仕組みだけでは限界があったので、DXを本格展開するためにLog Systemの採用を決めました。Log Walkによる遠隔で現場全体を見渡せて過去に遡れる機能。Log Meetは、スマホだけで全棟同一基準チェックが出来る手軽さ。遠隔チェックに必要な、サービスがオールインワンで用意してある、log buildさんのサービスの導入を決定しました。
ー『現場管理のDX化』に向けた会社や事業の方向性があれば教えてください。
○ 伊藤様
建設業界は、特にDXが遅れている中で、しっかりデジタルを仕組みに落とし込んでいく必要があります。社会情勢として、原価高騰に苦しんでいる建築会社さんも多いと思いますが、お客様へは価格転嫁出来ない中で、どのように利益率を高めるのかがポイントでした。
そこで、一人当たりの生産性をしっかり上げるためには、仕組みだけでは限界があり、デジタルのフル活用が必須と考え、一丸となって取り組んでいます。
ーLog Systemによって変わったことを教えてください。安全美化の観点は、どうでしょうか?
○ 伊藤様
今まで確認出来ていなかった場所をLog Meetで、ジャストタイミングでリモートチェック。ケアレスミスのカバーになっています。Log Systemにより、工事進捗を事務所にいながら把握できるようになったことも大きいです。例えば、営業は、監督に聞かないと進捗が分からなかった中で、全体管理が出来るようになった。そういった、一つ一つ現場で当たり前になってしまっている組織課題をデジタルで変革していくことが重要だと思います。
ー佐藤様は遠隔管理担当ということで、どういった変化を感じますか?
○ 佐藤様
まずはじめに、私自身が自分の仕事が会社の役に立てていると思い、やりがいを非常に感じています。log buildさんから多くのチェックシートやマニュアルなどを教えてもらっているので、非常に助かっています。
今では、職人側から「いつやるの〜?工事そろそろ完了するよ」など自発的に日程調整の連絡がきたり、職人側も積極的にやってくれています。やはり、職人さん側もしっかりチェックをしてもらいながら勧められる安心感があるんだと思います。工事が完了して、サッとリモートでチェックが出来る手軽さと、徹底的なチェックシート、マニュアル化が相乗効果として、大きな生産性を感じています。
また、見逃してしまいがちな場所も、全てVR現場空間のデータが残っているので、助かっています。
ビデオ通話とVR現場空間の両方を使用しないと、これは達成できないと思います。
ー営業畑からのジョブチェンジということで、最初不安などはありましたか?立ち上げはどうでしたか?
○ 佐藤様
弊社は、元来しっかり現場に足を運んで社員検査をしていたので、マニュアルやチェックシートはありましたが、それにプラスで、log buildのマニュアルは、とても役に立ちました。遠隔チェックの工程で、なんて言えば良いのか台本もあったり、細かくマニュアル化されていて、本当に助かりました。1回目は、上司の立ち合いで実施しましたが、2回目からは一人でも問題ありませんでした。しっかり会社としてのマニュアルがあれば、私じゃ無くてもできると思います。(笑)
最初の頃は、分からない建築用語もありましたが、「それってどういう意味ですか?」と職人さんに聞くと丁寧に教えてくれて、自分の成長につながりました。おおよそ2ヶ月くらいで、一人前になったと思います。また、リモートチェックによって出てきた問題点は、しっかり幹部会で議論がされるように、社内フローが構築されており、自分の検査によって会社の仕組み化が進化しているのを実感します。
ー梅澤様はどうでしょうか?
○ 梅澤様
Log Walkは配管の確認など見えない部分も遡って見えるので、ちょっとしたことでも自信を持って指示が出来ます。現場でトラブルがあると、該当部分の写真をクラウドから探したりする手間が無く、サッとLog Walkを見れば全てが分かる。過去の状況も一瞬で確認可能ですし。職人さんへも、口頭で施工方法を説明するよりも、360度VR空間を見せる方が、間違いが無くしっかり打ち合わせが出来るんです。しかも、今では佐藤さんがリモートチェックをしてくれて、「合格しました!」の一声がとっても安心します。会社としてチェックをしてくれている部分で、安心感があります。図面精査や受発注など現場管理者って、多棟管理をしていて、これから着工する物件のチェックもしないといけず、より多くのデスクワーク時間が欲しいとみんな思っていると思います。そんな中で、1回でも2回でも現場訪問が減るのは助かります。
ーマネージャーとして伊藤様はどうでしょうか?
○ 伊藤様
品質の部分は、佐藤さんが今まで見ていなかった部分、タイミング的にジャストタイムで行くことが難しいチェックをしっかりやってくれるので、非常に生産性の高い取り組みになりました。現場管理者による個人差が発生する部分も、会社の徹底したチェックシートとマニュアルで、会社ルールとして全棟同じ基準でチェックしてくれるのは、助かる。
また、VRデータを活用することで、「ここどうしましょう」という部下からの相談にも深く回答できます。現場に行かないで指示が出せ、自分が忙しくても後からVRデータを確認して、的確な指示を出せる。弊社では、RR会議というリデュースリスク会議を幹部陣営で実施しており、VR現場空間を見ながら、議論をすることで、日にちを遡って問題特定を実施したり、現場にいる以上の議論が出来ています。問題発生したタイミングではなく、その前に問題があることって多いじゃないですか。そこの部分をいつでも確認できるというのは、非常に素晴らしいと思います。
ー職人さんとのやりとりはどうでしょうか?
○ 金岡様(営業戦略室)
最初は反対している人もいたが、会社の本気度を皆感じてくれ、品質や安全を徹底することで一丸となっております。過去に遡って確認ができることや、電話一本で「Log Walkで見てほしいんだけど〜◯◯の部分なんだけど〜」と現場のVR空間を活用して、早期対応の実施が、職人さんのメリットになっています。また、弊社施工物件の品質向上にも繋がっています。職人さんの理解を得ることが何よりも大事な事だと思います。
ー教育観点では、いかがでしょうか?
○ 梅澤様
若い人はモチベーションが高く、新しい物好きなので、現場に行くよりも効率的に現場管理が出来るメリットを感じて、率先してやってくれています。落ち着いてデスクから現場のVRデータを見ながら、じっくりと施工品質チェックが出来て、分からない部分や設計確認の必要がある場合は、社内で迅速な議論が出来たり、みんな絶対やった方が良いと思います。
○ 佐藤様
絶対こっちの方が細かくチェックが出来て、落ち着いて社内議論が出来るので、みんな遠隔チェック体制は構築した方が良いと思います。遠隔チェックをして、課題を上層部に報告。幹部陣営は、課題解決のためのマニュアル化、仕組み化を実行するという、全てがつながった業務フローで、新人としても非常に勉強になります。
○ 伊藤様
Log Systemもそうだが、中堀社長の経営する建築会社ecomoのDX化された仕組みもパッケージで吸収できるので、本当に役立っています。ecomoへ見学に行って、実際に働いているスタッフさんを知りながら、いろいろ教えてもらえるメリットは大きいですね。
ーどんな会社にこのサービスを紹介したいですか?
○ 伊藤様
商圏エリアが広い会社はもちろん、東京にいながら軽井沢の物件を管理するなど、エリアレスでの管理に適しています。事業計画として、成長曲線をしっかり上げていくためには、1人あたりの管理棟数を向上しながら、尚且つ品質と安全管理を本社ルールで統一化し、高品質でお客様満足度が高い管理体制を構築する必要があると思います。どんな会社でも人手不足の今、本社管轄での遠隔管理体制は大きな会社の武器になると思います。
○ 佐藤様
新卒など若いスタッフは、すぐに営業や現場に出されると思いますが、Log Systemによる遠隔管理担当者は、教育に良いです。自分が出来たように、若い社員でもすぐに出来ると思います。大きい企業でも小さい企業でも関係なくオススメですね。忙しいからこそ、導入されるべきシステムだと思います!
○ 梅澤様
教育という面だと、建築学生のインターン生や新卒メンバーにVR現場空間を見せるなどでも良いですね。教科書と現場は違うので、そういった部分を幅広く知識を得るために、Log Systemは効果的です。毎日現場に行って、忙しくしている会社だったら、このシステムを入れて、より前工程の設計管理の業務に力を入れていくと良いと思います。
ーどんな会社にこのサービスを紹介したいですか?
○ 梅澤様
建築現場をVR空間で施主様に報告しているのですが、非常にお客様が喜んでくれているんです。地鎮祭で、まずVR現場を見せると、お客様の反応が「すごいですね。」「最先端ですね〜」とか「こんなに全部記録しているなんて、本当に安心できます」など、現場監督としてとても嬉しいお言葉です。
お客様としては、監督が毎日行ってほしいと思うでしょうが、Log Systemがあれば管理体制への信頼感があるので、行く回数を減らすことが出来る。「行く・行かない」は本当は関係なくて、しっかり誠実に全員で現場管理をしている事、さらに、問題があっても会社全体で対応してくれるという「どのような現場管理体制を実施しているのか」が、お客様は大事なんだと思います。
金岡様、伊藤様、佐藤様、梅澤様、ありがとうございました!
これからもよろしくお願いいたします!
ー佐藤様の業務の様子
総合建設業を展開する工藤建設株式会社は、建設業界で深刻化する人材不足や高齢化、長時間労働、属人的な管理体制、品質管理体制などの社会課題を解決する策として、戸建て住宅の建築現場やマンション修繕管理業務等において遠隔で「品質管理・安全管理・進捗管理」ができプラットフォームを展開する株式会社 log build のLog Systemを全現場で採用します。
当社は、建設現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強化し、建築・施工現場を遠隔で「品質管理・安全管理・進捗管理」が出来る Log System を導入しました。 このシステムにより、より一層、建設現場の品質・安全の管理レベル向上をしていきます。 また、生産性向上による働き方改革、女性活躍を含むダイバーシティ推進を促進し、働きやすい職場環境構築を推進します。さらには、人の移動を減らすことで、脱炭素を含むSDGs実現に向けた取り組みにも寄与いたします。