今回は、創業当初から行ってきたきた【建設・資材事業】をはじめ、新築戸建て住宅を手掛ける【住宅事業】、既存の住宅に新たな価値を生み出す【リフォーム事業】を行うなど、住宅建設を行うメーカーとしての側面も併せ持っていらっしゃる株式会社北洲 青塚部長、村上様、ダングニー様へインタビューをさせていただきました。
現場監督の課題
各拠点での施工品質を均一に保つことが難しく、改善の余地がありました
現場担当者が個別に管理するため、効率的なサポート体制の強化が求められていました
施主とのコミュニケーションや現場状況の共有方法において、さらなる透明性の向上が期待されていました
現状と効果
リモート施工管理の導入により、品質管理が徹底され、生産性が大幅に向上しました
360度VR空間を活用した遠隔チェックで、設計や施工の精度が向上し、施主に対する信頼感が強化されました
全棟を統一された会社ルールに基づき、本社からの一元管理による遠隔パトロールを実施。現場の安全美化と品質の一貫性が向上し、施主からの高評価を得ています
ーまず初めに、会社について教えてください。
○青塚部長
弊社は1958年に岩手県北上市で創業し、建築資材販売、新築住宅の設計施工、リフォーム・リノベーション、非住宅事業を展開しております。活動エリアとしては、岩手・宮城・福島・栃木・埼玉の5県に及びます。
新築事業の特徴としては、2つ挙げられます。
1. 「北国にこそ豊かな住まい文化を作ろう」を理念として掲げ、40年以上にわたり高気密高断熱の2×4工法をお客様に提案し、快適な住環境を実現しております。
2. 「時を経て、なお、美しい家」を大切にし、年月が経っても味わいや愛着が増すグッドエイジングな注文住宅をご提案しています。
ー普段の業務について教えてください。
○村上様
私は新築を担当するハウジング事業部に所属しており、新築や分譲の施工管理を担当しています。仙台拠点の工事責任者として、チームのマネジメントも行っております。キャリアとしては、新卒で北洲に入社して12年目となり、施工管理を一貫して担当してまいりました。
○ダングニー様
私はすべてのエリアの建設管理を行う建設部に所属しており、建築現場の「遣り方検査~木完の検査」まで5つの工程をリモートでチェックしています。仙台に居ながらも、品質基準に従って、岩手・宮城・福島・栃木・埼玉の5県でリモートチェックを行っています。今年の4月に入社したばかりで、以前は法人向けのカスタマーサポートを担当していました。
ーLog Systemの導入のきっかけは、どういった事でしょうか?
○青塚部長
ご存知の通り、現在全国的に技術者の不足が問題となっております。特に、労働集約型の建築業界においては、経営幹部としてDXを推進し、組織全体の生産性を向上させることが必要不可欠です。また、お施主様に対して、現場担当者が一人で責任を負うという従来の構造を見直し、リコーのTHETA(シータ/360度カメラ)を活用することで、「お施主様の大切なお住まいに、デジタル技術をフル活用して、全員で管理する」という意識改革を進めております。
さらに、5拠点における品質の安定化を図ることで、お客様満足度の最大化を目指しています。多くの目で管理した高品質な仕上がりをお施主様に見ていただくために、360度VR現場空間でお施主様に毎週ご報告し、「北洲は信頼できる誠実な会社だ」と感じていただき、最終的には紹介受注の獲得まで繋がればと考えています。
過去5年間、適切なDXツールを探し続けてきましたが、他社のツールには課題がありました。例えば、高額なカメラが必要で費用対効果が見合わない、または解像度が低く品質検査に適さないなどです。しかし、今回のLog System導入では、専用の端末を購入せずともスマホでオンライン立ち会いが可能である点が非常に優れていると感じました。さらに、Log WalkのVR現場を組み合わせることで、全体の工事管理や品質チェックが効果的に行えると確信しています。
ー『現場管理のDX化』に向けた会社や事業の方向性があれば教えてください。
○青塚部長
北洲では、生産性向上を目的にDXを会社全体で推進しております。事業部が見つけた有用なツールは積極的に導入し、現場での効果を最大化しています。
例えば、リフォーム領域ではドローン検査、建設資材領域では外壁プレカットの自動計測、経理領域ではマネーフォワードを活用しています。ノーコードツールも積極的に社内に取り入れ、お施主様とのコミュニケーションツールのDXも推進しています。7年前から進めてきた電子受発注は、既に95%の実施率です。
ーLog Systemによって変わったことを教えてください。
安全美化では、どうですか?
○村上様
従来は、月1回、拠点ごとに安全パトロールを実施していましたが、Log Systemの導入後は、360度VR空間を用いて、拠点の工事担当者だけでなく、工事責任者の私がチェックを行っています。第三の目で、安全美化基準を厳しくチェックすることで、是正箇所の指摘がしっかりできています。また、定期的なVR撮影がチェックゲートとなり、職人さんへの良い刺激となっています。
品質管理については、いかがでしょうか?
○村上様
細かな工程に関しても、本部(建設部)からリモートチェックを行うことで、見落としがちな部分をしっかりチェックできています。監督が現場から戻ってきて「あれ、どうだったっけ?」と再確認の為に現場へ戻ることが大幅に減りました。また、設計部門が現地に行くことなく、オフィスで現場打ち合わせができるので、品質が向上し、組織全体のレベルアップにもつながりました。
ダングニー様はリモートチェック担当者ですが、新しい取り組みで不安などありましたか?
○ダングニー様
未経験で知識がなかったため不安でしたが、細かなマニュアルがあり、その基準をもとに「合っているのか・間違っているのか」を判断するため、工場のセンサーのような役割だと思っています。リモートチェックをすることで、後の工程で修正が大変になる間違いなどを未然に発見できたときにやりがいを感じます。
ー職人とのコミュニケーションで不安な部分はありましたか?
○ダングニー様
皆さん、とても優しく、丁寧に接してくださいますので、非常に助かっています。わからないことがあればすぐに質問でき、真摯に施工に取り組んでおり、北洲の仕事に誇りを持っているのだと感じます。
ーマネージャーとしてはどうですか?
○村上様
メンバーから相談を受けると、以前は現地に行って確認するしかありませんでしたが、今ではLog Walkを使ってリモートで現場を確認できるので、その場で適切な説明ができるようになりました。これにより、職人さんに早く指示を出せて、工事の遅延を防ぐことができます。また、相談されたこと以外にも気づける点が非常に良いと感じています。
ー職人とのやりとりは、変化ありましたか?
○村上様
基礎工事や木工事時、全てにタイムリーなリモートチェックを行うことで、確実に職人の手戻りが減りました。これまで行けなかったタイミングでも、Log Walkを活用してVRチェックすることで、現場の違和感に早急に気付くことができ、非常に助かっています。
ー移動時間はどう変わりましたか?
○村上様
業界平均でも同様かと思いますが、現場管理者は勤務時間の約4割を移動に費やしていました。しかし、現在ではその時間が半分以下になっています。1現場に対して、20回以上の訪問を10回程度に減らせる見込みです。移動にかかる時間は誰にとっても無駄であり、その時間を削減することで、図面の精度チェックや工程管理、現場の品質や安全の徹底した管理に注力できるようになりました。これにより、会社やお施主様にとって望ましい働き方が実現できると考えています。
ー教育としては、何か活用はありますか?
○青塚部長
来期の計画として、現地訪問型のOJTではなく、Log Walkを活用して新人研修を行う予定です。現地での研修は移動時間の問題や、その時の工程に依存する制約がありますが、Log Walkは全ての工程をVR空間として蓄積しているため、現地に行く以上の価値を提供できると考えています。敷地調査から基礎工事、上棟、竣工まで、1棟が完成する流れを新人に教えるには、Log Walkが非常に適していると考えています。
ー顧客満足度はどのように変化しましたか?
○青塚部長
弊社では、顧客満足度の最大化を全社員が心掛けて事業を推進していて、従来から顧客満足度は業界でも高い方でした。お客様に対して、現場が「期待通りの仕上がりかどうか」を「大不満・不満・満足・大満足」の4段階評価でアンケート取得していますが、Log System導入前は大満足率が86.7%だったのに対し、導入後は92.0%と大きく向上しました。
このアンケートは非常に重要で、お客様は「満足」と回答しがちですが、「大満足」まで引き上げないと紹介受注には繋がりません。Log Walkを使用した360度VR空間で現場を記録することで、職人への良い緊張感が生まれ、現場美化も進みました。また、Log Meetを活用した一元管理型のリモートチェックにより、品質のバラツキが減少したことも大きいと考えています。
ーlog buildからのサポートはいかがですか?
○青塚部長
色々なリモートツールを探しましたが、他社ではマニュアルのサポートがなく、アプリの提供のみでした。しかし、ログビルドさんは建設コンサルに近く、業務改善のワークフロー全体がしっかりしているため、非常にやりやすかったです。
ーどのような人、または会社にこのサービスを紹介したいですか?
○村上様
住宅やリフォームの現場管理を何現場も掛け持ちしている方に利用してほしいと感じます。限りある業務時間の中で建設マンの業務内容は多岐に渡ると思います。その中で生産性や効率化を図ろうと思った時、必ず移動時間はネックになってくるはずです。移動時間が占める割合が多く、1日の半分を移動に費やすケースも少なくありません。Log Systemを導入することで、移動が半分に減り、デスクワークの時間を多く取れるようになりました。
多忙に各地を飛び回っている方にこそ使って頂ければと思います。
○ダングニー様
同じく、移動時間が非常に多い企業様には導入をおすすめいたします。仙台のオフィスにいながら、他県の現場チェックができるので、これは皆さんにおすすめです。職人さんや現場監督さんにも喜ばれています。
ーダングニーさんのように、未経験でリモートチェックをする担当の方へ、アドバイスやエールをください。
○ダングニー様
「リモートでチェックするなんて、本当にできるの?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、未経験でもマニュアルがあればできます!私も最初は全く現場のことがわかりませんでしたが、3ヶ月少しで自分の担当工程に関しては、設計図書、マニュアルから何をチェックすべきかを覚えることができました!
ー最後に青塚部長。どのような人、または会社にこのサービスを紹介したいですか?
○青塚部長
経営の視点から申し上げますと、生産性を劇的に向上させたいと考えている全ての企業にこのサービスを強くおすすめします。昨今の物価高や人手不足、そして現場経費の上昇に直面している企業にとって、経費削減は避けて通れない課題です。しかし、単なる経費削減ではなく、同時に生産性を飛躍的に向上させることが、企業が次の成長ステージに進むための鍵となります。Log Systemは、この難題に対する最適解です。
具体的には、「訪問回数・ガソリン代・高速代金」の削減だけでなく、工事車両そのものの削減も可能にし、固定費の圧縮を実現します。その結果、経費削減を通じて生まれたコストダウンを価格に反映させることができ、これはお客様への大きな還元となります。このような仕組みを導入することで、企業全体に好循環が生まれ、結果的に市場競争力の向上に繋がるでしょう。
さらに、お客様満足度の観点からも、Log Systemがもたらす変革は計り知れません。私たちが導入した全棟チェック体制は、組織全体を引き締めるだけでなく、高品質な物件を安定して提供するための強力な武器となっています。現場を直接確認する本部の上層部が一貫して目を光らせることで、各現場監督や職人、協力業者全体の施工意識が大幅に向上しました。このような厳格な品質管理体制は、企業全体のブランド価値を高め、顧客からの信頼を盤石なものとします。
今後、建設業界において生産性向上のためにリモート施工管理システムを導入することは、もはや必須となるでしょう。このシステムを活用することで、企業が次の時代に対応できる準備を整えることができると確信しています。
ーダングニー様の業務の様子
グッド・エイジング ~時を経て、なお、美しい家~
10年、20年、30年と長い年月を暮らす家には、そこに住む家族だけの思いが込められ、ともに、豊かに歳を重ねた証が刻まれていきます。
その証こそ、私たち北洲の考える”グッド・エイジング”です。ただ消費されるのではなく、良い住まいは、時を経るほどに美しくなる。
北洲は、世界共通の良い住まいづくりを目指しています。